4台目のキャンピングカーと・・・
ー余市町 Tさんー

「4台目のキャンピングカーと、買い替えしてない中古の妻と」

「オイ!TVも付いてすぐ寝れて、レンジも冷蔵庫も付いて、おまけに動くんだゾ!
離れを増改築するよりず〜っと良い」

「う〜ん、そうかぁ〜」
「よし決まり!」

というわけで買ってしまった4台目のキャンピングカー。

喜んでいるのは車を買い替える度にシャンパンを抜く行事に参加する友人達、
「いいよ〜いいよォ〜カンパ〜イ!」
エーッ、何がいいのだ!。車?シャンペン?

「でもね、よくよく考えると、なんでいまさら増改築が必要なの?子供達も独立し、今や二人暮らしで狭いながらも楽しい(?)我が家ジャン!」
とは妻のひとり言。こういう場合は耳が遠くなるのが老人の良いところ。

「エッーーウーーナニィーー」。

結婚して42年。
キャンプは年中行事、当初は小さな車に満載の荷物、重たいテントを張って万国旗よろしく、幼い子供等のおしめから下着をずらりと干し、ハンゴウご飯に木の枝の箸、鍋・釜積んでどさ回りのように旅をした。

道内はもとより東北・関東・九州と津々浦々。
しかし時代とともに子供も離れ、寄る年波には勝てず、目的地でのテント張りは老体にはキツ〜イ。

旅の視点のおき方も徐々に変化、歴史や文化を吸収したくて行った資料館や美術館めぐりも年々脳軟化症で記憶にとまらず、今は楽しくおいしくて快適でバタ〜ンと眠るがよろし、となってきた。

元来は自然派、海のほとりで釣り糸をたれ、たき火に手をかざして星空を見る・・
な〜んてことは遠い昔、キャンピングカーの手軽さ便利さ快適さは、もはや何にも替えがたい。

何より重宝はレンジとDVD仕様のTVである。
思ったらすぐ!が我が家流。冷蔵庫の残り物をポ〜ンと車へ。チン料理の得意な妻は、

「冷蔵庫の整理日だ!」と大喜び。

しかも山や海、電波の届かぬところでも、雨・風・雪も何のその、小さな応接間はディナー付きの映画鑑賞と相成り、防音装置でジャズもロックもガンガンOK。

親戚への宿泊も玄関脇にピタッ!離れに泊まったと思えば双方気が楽!
一晩泊まりのための布団敷きや洗濯も省略できれば主婦が楽。

大人同士は家の中、子供は車でDVD!ウ〜ンやっぱり離れを運んでいるようなもの。おまけに「車なんてタイヤに屋根が付いていればOKよ!」といっていた妻が何やらイソイソご執心である。

ウ〜ムやっぱり台所付きの小さなシアターとでも思っているらしい。
パンにチーズ、ワインを抱えて「ねぇ始まるよ〜」。これで当家もしばらく安泰。
最近は海山よりも、むしろ見知らぬ街の夜の居酒屋めぐりが旅の目的である。
朝は近くの早朝銭湯で地元の人との話も良し。広々とした温泉につかるも良し。

全国に友情の種を植えて歩くと思えばなおよろし。おかげで国内あちこちに友人ができた。
昨日何を食べたかは忘れても、遠い昔の旅の想い出はより鮮明になる年ごろ。

財産は山程貯まった心の貯金。いずれあちらの国に旅立つ日まで積立貯金をしている気分。
やがて来る病の床で遊べるのはこの思い出・・・と思っている。

旅で得た人やアクシデントほど、印象深く大切な宝物である。
全国三周した程旅に出た。それも魅力の旅である。
キャンピングカーは4台目、だが妻は一代、

「ねェ〜妻も中古になってきたァ〜」
「一台で結構!乗りつぶす。」
「キャ〜、ウレシイ ・・・まだまだイケる?」
「乗り換えるには金がかかる!部品の修理しておけよ!」

さて今年の旅の始まりはボートを引っ張りカレイ釣り。

「アラ、魚屋さんで一皿200円で売ってるわ!」

あ〜あ、全くロマンのない妻である。

・・龍宮城の乙姫さまによろしく・・了解。